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心のマーケティング

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夏期講習会を控え、様々な募集広告やDM企画を検討する時期になりました。去年とは違うキャッチコピーで生徒募集を成功させたいと、マーケティングに腕を振るう時期でもあります。

ある学習塾のキャッチコピー

消臭力のCMで有名な鹿毛康司氏は、著書「心が分かるとモノが売れる」(日経BP)の中で、ある学習塾のCM制作に携わった経験を紹介しています。コロナ禍で様々な制約がある中、「でも、大丈夫。この夏で取り戻そう。」という、黒板にチョークの文字とナレーションのみというシンプルなCM映像を制作し、放送したところ、その塾の2020年5月の入塾者数は前年同月比1.58倍に増えたそうです。その秘訣は、生徒のニーズではなく、生徒の「心のツボ」を探り、そこを押したことにあると述べています。コロナ禍の生徒は、「友達に会いたい」「勉強が遅れてしまったらどうしよう」という不安を抱えていたのですが、そんな生徒達に「仲間と会えるよ」とか「塾で勉強しよう」というメッセージを打ち出しても響かない確信があったそうです。なぜなら、コロナ禍の生徒には、自分に対する無力感や社会に対する失望が心の奥底にあって、そんな生徒に「塾で勉強しよう」と訴えかけても、上辺だけの言葉かけで終わってしまうのではと推測したのです。社会に対する無力感に押しつぶされそうな生徒の心に寄り添い、「でも、大丈夫。」と気持ちを汲んであげたことが、CMのヒットに繋がったと述べています。マーケティングでは、本人も気づいていない動機や本音のことを「インサイト」と言いますが、鹿毛氏は「心のマーケティング」が重要だと主張しています。

インサイトを探る方法

本人も気づいていない本音はどうしたら探ることができるのでしょうか。大松孝弘氏と波田浩之氏の著書「ほんとうの欲求は、ほとんど無自覚」(宣伝会議)では、本人の不満を読み解くことから始め、その際「表面的な不満」より「無自覚な不満」を探ることが重要で、そのためには「価値を感じること」を糸口にするとインサイトが見つかると説いています。アンケート等で出てくる「表面的な不満」は、聞く人が納得できるよう論理的で筋が通っていることが多く、本音には程遠いことがあるので注意すべきとしています。例えば、以前マクドナルドでは、お客様の「ヘルシー」「野菜」を求める表面的な不満の声に応え「サラダマック」を販売したところ、不振に終わりました。お客様が食事で価値を感じていたことは、「ヘルシーな食生活で溜まったストレスを、たまには思い切り肉を食べて発散させたい」にあり、「マクドナルドにあるメニューでは物足りない」という無自覚な不満にありました。そのインサイトを満たすべく、肉量たっぷりで食べごたえのあるメガマックやクォーターパウンダーを販売したところ、大ヒットにつながりました。

 

弊社では、講師が保護者に送るメールを改善するにあたり、「三行ルール」を定めたことがあります。ともすると「よくがんばっています」という短文で済ませがちなところを、最低三行書くというルールに改めたところ、講師が生徒をよく観察するようになりました。三行書くためには生徒をじっくり観察しないと書けません。授業中の机間巡視中に生徒の様子をメモする講師まで現れ、結果的に生徒の気持ちや言葉の変化に敏感になり、より生徒の本音に近づくことができるようになりました。現在はデジタル教材が生徒の学習態度を教えてくれる時代ですが、デジタル時代だからこそ、生徒も気づかない本音に寄り添えるような「心のマーケティング力」を磨きたいものです。

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