
現在、オフィスでどのようにデータを管理していますか?
多くの塾では、エクセル、ワードでの管理が主流でしょう。
また、古くからの慣習にしたがって手書きを続けている塾も多くあるのではないでしょうか。
最近だと、業務日報にLINEなどのSNSを利用している例も多く耳にします。
一昔前までは、すべてが手書きでした。
それを思うと、無料の汎用ツールを利用しているだけでも進歩していると言えます。
しかし、ビジネスとしてみた場合、言い方は悪くなりますが、これからの時代は厳しくなると言わざるを得ません。
ここでは、塾の生産性についてと無料汎用ツールの限界、さらには塾専用のシステム導入のメリットについてご紹介します。
もくじ


塾の生産性が上がらない理由
他業種と比べて、塾の生産性は非常に低いと言われています。
生徒の学力向上、志望校合格が指名であり、定期テストは多いところで年に5回、入試は1回なので、比較的長いタームの中で活動を行っているのも理由の1つでしょう。
しかし、それはどの塾でも同じで、実は生産性が上がらない理由は他にあります。
とくにつぎの2点は決定的な理由です。
- 塾業界の独特の風習や習慣
- 生産性を向上するシステムが未整備
自塾にあてはまっていないか、ぜひ確認してください。
塾業界の独特の風習や習慣
塾業界は閉鎖的な環境です。
ニュースを見ない講師もあたり前のようにいます。
それでは、現在の社会の流れを把握できるはずもありません。
さらには毎日授業があり、目の前には子供たちの姿が。
対象が子供たちになるため、指導に集中して、ビジネスとして働いている方は一握りです。
現場の講師が実際に契約は取らず、体験授業も面談も募集計画もほとんどが教室長任せ。
ですから、教室長は現場で一番ビジネス的な目線を持っていると言えます。
しかし、教室長も一人の講師。
目の前の生徒のことを思うがあまり、システムを嫌う傾向にあります。
- 掲示物は手書きの方が子供に感情が伝わりやすい
- 生徒のことを思い出しながらだから、手書きの日報の方がいい
- 現場の生徒がメインで、他の業務は二の次
- 今までそうやってきたから間違ってない
このように考える方が多いです。
特に、自分が今まで行ってきたものを大きく変えるのを嫌う人は多くいます。
社会のIT化が進んでいるのに、うちは古き良きを売りにして…なんて言っても、時代の流れは急速に進むもの。
気がついたときには手遅れになっている可能性が大きいです。
生産性を向上するシステムが未整備
塾の生産性を向上するシステムが整備されにくいのは、すぐに売り上げに直結しないと考えるからです。
成績管理や座席、名簿をシステム化して、生徒が増えるのかと言われれば、増えないですし、生徒の成績が上がるのかと言われれば、上がりません。
しかし、実はこれらによって結果的に生徒は増えますし、生徒の成績は上がると考えられるかがポイントです。
まず、職員の業務負荷が軽減されると、職員が現場に費やす時間が増え、サービスの質の向上に繋がります
特に授業は講師の生命線ですから、授業に費やす時間が増えれば、講師も大喜びでしょう。
さらに、システム管理により、職員1人1人の意識を上げるのではなく、管理者側が管理、指示をしやすい体系が整います。
整備されたデータを見るだけで、各教室の問題に気づき、的確な指示を出し、退塾の未然防止や新規顧客獲得の作戦の提示などを行えるようになるのです。
現場と監理者、経営者がそれぞれの持ち場で最大限の力を発揮する。
これがない状態で、ビジネスの成功はありえません。
すべてを現場の講師に委ねるのではなく、やはり適材適所。
そのためにも、生産性を向上させるシステム整備は必須なのです。
エクセルやLINEなど汎用ツールの限界
業務や日報、情報交換にエクセルやLINEは必要不可欠です。
この2つをゼロにするのは、現状ではムリがあります。
しかし、この2つに頼り切りになってはいけないのです。
エクセルやワード、LINEを代表とした汎用ツールには限界があります。
それはつぎの3点です。
- システムがバラバラで統合されていない
- 塾の業務に特化しておらず限界がある
- 情報の共有やデータへのアクセスに難がある(顧客情報・授業状況など)
それでは、1つずつ詳しくお伝えしていきます。
システムがバラバラで統合されていない
塾にはあらゆる業務がありますが、シンプルに考えると、下記の3点が日々の業務で行われる重要な動作です。
- 入力
- 抽出
- 閲覧
汎用ツールだけで管理、業務を行っている場合、1つ1つの業務がバラバラになります。
例えば、塾の生命線でもある人数管理。
生徒人数は下記の通り。
- 人数管理表
- 売上管理
- 売上や生徒数目標
- 月謝処理
このようにあらゆる場面に関わります。
これらを別シートにまとめて管理していませんか?
打込む場所が増えるほど、業務負荷は大きくなり、ミスも増え、余計な仕事が増えます。
監理者側も閲覧データが多くなるため、管理が大変です。
これが、塾生登録画面で塾生の入退塾を打ち込むだけですべて反映されると、相当な業務量軽減に繋がりますよね。
入力は1回で終了し、閲覧するときも見たい項目をクリックするだけですぐに見られる体系。
労働時間短縮が叫ばれる中でも、利益を生み出していかなければならないので、統合されたシステムを用いるのが最適なのです。
塾の業務に特化しておらず限界がある
汎用ツールがあらゆるところで使われているのは、文字の通り汎用性があるからです。
いわゆるオールラウンドといったところでしょう。
様々な機能も付随しており、多くの業務や処理に使える点が魅力です。
しかし、あくまでもオールラウンドで、専門性に特化しているわけではありません。
大切なのは、塾の業務に特化して使いやすいシステムであるかどうかです。
汎用ツールを使って、みやすくわかりやすくといった努力はされているでしょう。
しかし、汎用ツールでさえ、すべての機能をフルに利用している塾はほとんどありません。
エクセルであれば、一覧表の作成→関数を利用したデータ処理→マクロを用いたシステムの順に、実施している塾の数は減っていくでしょう。
大切なのは、あらゆる場面に対応するのではなく、塾の業務が円滑にいくかです。
つまり、汎用ツールの使い方を考えるよりも、実際の現場で培って作られた塾に特化したシステムを使うのがベストと言えます。
情報の共有やデータへのアクセスに難がある
見たいデータがすぐに見られるのは非常に重要です。
しかし、これらの管理方法は塾によって全く異なります。
紙ベースで管理している塾では、教室長が該当校舎にいない場合、即日に確認するのは不可能です。
見ようと思った場合、該当校舎から職員が本部、支部に戻らなければなりません。
そのため、労働時間の増加に繋がる問題があります。
エクセルで管理されている塾では、ほとんどが本部と各教室がサーバーで繋がれています。
しかし、休みの職員は本部のサーバーにアクセスできないため閲覧ができません。
これらを防ぐために汎用ツールのクラウドを利用したとしても、やはり問題になるのはセキュリティーです。
情報漏えいの観点からも、クラウド利用に消極的な経営者は多いです。
このように、システムがないために情報共有やデータへのアクセスがしづらい環境はほとんどの塾に該当します。
売上を伸ばすために塾専用のシステムの採用を
職員の労働負荷を減らしつつ、各各教室を管理し、売上を伸ばすためには塾専用システムの採用が必須です。
塾専用システムを採用するメリットは、具体的にはつぎの3つがあります。
- 生徒や授業の管理を一元化
- 保護者や塾内でのコミュニケーションを一元化
- 請求・集金管理や営業管理も一元化
ほかにもメリットはありますが、目立ったものはこの3つです。
生徒や授業の管理を一元化
生徒管理は塾にとって非常に大切です。
成績の推移1つでもその生徒の状況を把握できます。
手書きの成績カードで管理をしていて、退塾してからでは時すでに遅し。
また、入塾登録をするだけであらゆるデータへの反映が可能です。
授業の管理は職員の労働負荷軽減に繋がり、管理しやすい体系が整います。
授業カリキュラムのミスや授業進度の遅れも把握できるため、適切な対処がスピーディーに。
これにより、管理側の労働負荷軽減や予期せぬ退塾を防止できます。
保護者や塾内でのコミュニケーションを一元化
保護者対応や塾内での生徒とのコミュニケーションの共有は、企業にとって多くのメリットがあります。
日頃から各教室で、自塾の方針に沿った指導が行われているかを把握できる1つの指針です。
正しいコミュニケーションは相手の心を動かすもの。
塾長の思いに沿った対応が各教室で行われることは、企業の業績に直結します。
また、素晴らしい対応の共有、もう一歩の対応の場合はケーススタディーで社内共有が図れる点も魅力の1つ。
生徒・保護者対応は、緊急性の高いものは即日ですが、低いものは報告書でまとめて提出させる塾が多いです。
日々の生徒とのコミュニケーションをすべて記憶することは不可能なので、一元化して管理できるシステムは、職員のコミュニケーション力向上、対応力強化にも繋がります。
請求・集金管理や営業管理も一元化
塾の業務で時間がかかる請求、集金管理。
特に、教室長のチェックには多くの時間がかかります。
日頃から業務量が多い分、わずらわしさを感じる方も多くいらっしゃるでしょう。
これらが事前のチェックだけで済ませられれば、教室長の労働環境整備になります。
講師力があるからこそのポジションなので、現場一本に向かえる体制を整えれば、よりよいサービス提供を教室で行ってくれるでしょう。
また、各種期別講座や募集データも一元化すると、データに基づいた営業活動を行えます。
整理されたデータと、現場の講師の感覚を合わせ、収益率を高め、取りこぼしのない効率的な営業をかえる。これは結果に繋がりやすいです。
そのため、職員のモチベーション維持にも役立ちます。
無料の汎用ツールから脱却して生産性を向上させよう
目の前の問題をムダなく最短ルートで解き明かすように、企業の業務もムダを削って行うべきです。
汎用ツールは便利ですし、無料であれば余計なコストもかかりません。
しかし、コストをかけない=労働時間をかけるでもあります。
無料、安さにこだわるばかりに、職員に手間と負荷を考慮しないと、離職に繋がりかねません。
かといって、多額の投資を行って、必要のないシステムを購入するのももったいないです。
生産性を向上させるなら、塾専用のシステムを採用するのがベスト。
特に、現場の経験を基にして作られたシステムなら、生産性の向上に直結します。
まだまだムダの多い業務体系が行われている塾業界。
最新システムを導入して、他塾との差別化を図ることが、優秀な人材の確保、職員の幸せ、そして、会社の繁栄に繋がるのではないでしょうか。
